深夜の挨拶

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美容師時代の1年目は京都の八幡市から大阪の江坂まで仕事に行ってたんですけど、レッスンで終電になることが多く、京阪電車の終電が降りる駅の次の駅までだったので、よく寝過ごして競馬場のある淀駅まで行ってしまうことが多々ありました。

寝過ごした時は自宅に電話して父親に迎えにきてもらうか、タクシーで帰るかでした。

 ある日、いつものように寝過ごして家に電話したら、その日は誰も出ず当時は給料が8万円くらいしかなかったので、タクシーには乗らず歩いて帰ることにしました。

駅から駅までが電車で5分くらいの距離でしたけど、歩くと結構時間が掛かります。

 仕方ないので歩いてたら、途中でボロボロの自転車を見つけました。

鍵も掛かっておらずパンクもしてなかったので歩くよりはマシかと思い、その自転車で八幡市駅まで向かいました。

 途中の淀川に掛かる橋の手前まできたら突然、チ~ンっていう仏壇で鳴らすような音がしたので、ふと左側を見たら小さなお墓がありました。

 さらに少し進むとまた、チ~ンと鳴ったので左側を見たらまた小さなお墓がありました。

 たぶん、そこで事故で亡くなった人のお墓なんでしょうね。

 最初は自転車のベルが鳴ったのかと思ったんですけど、音も違うし何より自転車のベルは壊れてて鳴らそうにも鳴らすことが出来ませんでした。

 八幡市駅に自分の自転車を置いてあったので、その自転車は駅に放置して帰ったんですけど、今でも事故で亡くなった人が挨拶してくれたんだと思ってます。