合宿免許
車の免許は高校からバイクに乗ってたので、あまり興味がなかったのですが、バイクでは行動範囲が限られるので、24歳の時に大阪で勤めてた店を休んで合宿で取りに行くことにしました。
最短17日間で日曜日は教習休みで料金は20万円でした。
当時、普通に教習所に通っても20万円くらいだったので、宿泊費と食費込みの合宿はお得でしたね。
教習所の場所は数か所から選べたのですが、時期が1月だったので日曜日にスキー場に行ける、最北端の山形県にある新庄市の教習所に行くことにしました。
夏場なら海が近い鳥取とかにしたんですけどね。
行きは伊丹空港から飛行機だったのですが、ジェット機ではなくプロペラ機でした。
旅客機はジェット機が当たり前だと思っていたので、プロペラ機が運行してることには驚きでしたね。
空港からは迎えの車で教習所まで行ったのですが、宿泊施設は教習所の近くにあるビジネスホテルと送迎バスで送り迎えのある温泉旅館でした。
僕が宿泊したのは歩いて行けるビジネスホテルでの二人部屋でした。
食事は朝夕がホテルでの食事で昼が教習所での弁当です。
食べ盛りの年頃だったので、それでは足りず空き時間に教習所の近くにあるファミリーレストランやケンタッキーによく行ってました。
ビジネスホテルのほうは男性だけで、いつでも歩いて帰れるのですが、温泉旅館のほうは男女混合で送迎バスの時間にしか帰れません。
夜遅くにタクシーに乗って女子の部屋に遊びに行ったり、女の子と飲みに行ったりもしましたが、宿舎は教習所から近いほうが何かと便利でしたね。
一番仲良くなったのは同じ日に入所した、嫁が友達と浮気してバツイチになった男で、離婚直後は浮気相手を刺してやろうと包丁を持ち歩いてた危ないやつです。
車の事故で免許取り消しになり合宿に来たそうです。
他にも少年院を出てきたばかりの男や、右翼のおっちゃん、彼氏がヤクザの女、教官にも反抗的で三ヶ月くらい滞在してる、いつまでも卒業出来ない女等々いろんな人間の宝庫で、言葉も地元の教習生は18歳を迎えた高校生が多く、「~だっぺ」みたいな東北弁で合宿生は関東から来てる人が多かったので関東弁が多かったですね。
スキーは有名な蔵王スキー場も少し足を伸ばせば行けたのですが、電車で道具もウエアもレンタルで地元のスキー場に2回行きました。
当時は普段履きに革靴を履いていて、スキー場でのバイト経験のあるバツイチの男に、革靴でスキー場に行くやつは初めて見たって言われたのですが、普通は革靴でスキー場には行かないでしょうね。
ある日の晩、合宿生数名で歩いてカラオケに行ったのですが、バツイチの男が地元のヤンキーと揉めそうになりました。
その場は止めたんですけど、その後に地元のヤンキーと仲良くなりヤンキーの車でボーリング場にも行きました。
雪国の大きい道路は除雪と道路から出るお湯で道路には雪が無いのですが、狭い道路では雪が残っておりスタッドレスタイヤでも簡単にドリフトが出来ましたね。
免許を取る前はスタッドレスタイヤを知らなかったので、雪国ではタイヤチェーンを付けるものだと思っていましたが、一度も付けることはなかったです。
ある日、同室のやつが地元のヤンキーとの飲み会に連れて行かれたんですけど、かなり飲まされたみたいでベロベロになって帰ってきて部屋で吐いてました。
それ以降は、誘われても二度と飲みに行くことはなくなりましたね。
雪国は天気に関係なく毎日雪が降るんですけど、1日だけ朝から雪が吹いてて、前は数メートル先が見えないし歩道は除雪された雪で数メートルの壁が出来てて歩けないので、教習所まで行くのが大変な日がありました。
けど、寒さは冷蔵庫の中にいるような感じで大阪とは違う寒さで、さほど寒さは感じなかったですね。
卒業までに卒検に1回落ちたので2日延長になり、19日間で22万円掛かり合宿中に8万円使ったので、掛かった費用はトータルで30万円です。
帰りは飛行機ではなく、電車で帰ることになってたのですが、電車は乗り換えも多く寝れないので、同じくらいの料金で仙台から大阪の上本町までの夜行バスが出てたので、仙台までバスで行ってから夜行バスに乗ることにしました。
帰る日に一足先に右翼のおっちゃんが駅に向かったのですが、駅に着いた途端に警察官に連れて行かれたのを別の合宿生から駅に着いた時に聞きました。
おっちゃんが何をしたのかは解りませんが、警察も逮捕するのに合宿が終わるまで待ってたんでしょうね。
仙台から大阪までは夜行バスで12時間掛かったんですけど、仙台の町は神戸と姫路のちょうど中間くらいの感じで、市街地の直前まで山道をバスが走ってたので、市街地を外れると何もないとこですね。
19日間の合宿でも最初の一週間で学科は全て終わるので、あとは1日2時間車に乗るだけなので、旅行気分の楽しい合宿でした。